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002薬剤師の雇用 アーカイブ

2011年01月27日

薬剤師の雇用形態

薬剤師といえば薬局や医療機関に就職して調剤を主に行うというのが従来のイメージです。
そのため、高給で安定した雇用環境が期待できる職業と受け止められるケースも多いようです。
しかし実際には、薬剤師の雇用形態はじつに多様なものとなっています。

まず正社員。
ほとんどの薬剤師はこの形での雇用を望むことになるでしょう。
薬局や医療機関では正社員として雇うケースが多くなります。
安定した職場環境に加え昇給、ボーナスなどもでますし、将来的には高いポストにつくことも期待できます。

しかし、長引く景気の低迷もあってか、経費の削減のため非正規の形で雇用するケースも増えているのです。
たとえば契約社員。
あらかじめ契約期間を定めて雇用する形式です。
この場合、給与や待遇などは事前に定められており、昇給や昇進を望むことはできません。
この雇用形態には契約期間が過ぎたら新たな仕事先を見つけなければならない場合と、正社員としての採用を前提のうえで準備段階として雇う場合とがあります。
それから派遣社員。
こちらも最近増えているタイプです。
派遣会社に登録している薬剤師と雇用契約を結ぶケースです。
契約社員と同じような形ですが、派遣会社が間に立つことで契約交渉などがスムーズに行くという特徴があります。

ドラッグストアではアルバイトでの雇用も増えています。
主婦などパートタイムで働く場合には適した雇用形態ですが、その分給与は低くなります。
薬剤師が就職先を探す際にはこうした雇用形態にもよく注意する必要があるのです。

薬剤師の転職

薬剤師は離職率が高く、転職するケースが多い仕事としても知られています。
その背景には職場が非常に幅広いこと、契約社員や派遣社員など不安定な雇用環境に置かれるケースが多いこと、そして女性が多いことなどが挙げられています。
あるデータでは薬剤師のおよそ10%程度が毎年転職を行っているといわれています。

薬剤師を巡る環境は年々厳しさを増していると言われています。
今後薬剤師の数が過剰になっていくことも予想されているほか、登録販売者制度の導入によってドラッグストアなどでの雇用が減少していくことが確実になっているのです。
また、景気の低迷もあり正社員としての雇用を避ける医療機関も増えており、さらに不安定な雇用環境を担っていく可能性もあります。
逆に医薬品に対する需要は高まっている面もあります。
高齢化の進行などもあり、医療全体のニーズが高まっているからです。
ですから優れた人材は引く手もあまた、医薬品関連の企業を中心にあちこちから引っ張られる傾向が見られています。
つまり薬剤師の中でも就職・転職環境に格差が生じようとしているのです。

ですから、転職を行う際にはなるべく理想的な職場を見つけるよう努力することが求められます。
退職後に就職活動をはじめるのではなく、在職中に行うのが鉄則です。
退職後だと焦りでよい求人情報が見つかるまで待てなかったり、相手に足元を見られてしまう可能性もあります。
また、薬剤師は年間を通して募集が行われていますが、とくに5月、10月に中途採用の求人が多くなるといわれています。
こうした時期も踏まえながら転職活動を行っていくことも必要になるでしょう。

薬剤師の年収

大学の薬学部を卒業し、国家試験に合格してはじめて資格を取得することができる薬剤師。
非常に高度な知識と技能を求められる仕事です。
ではこの薬剤師の収入はどの程度となっているのでしょうか。

薬剤師の平均年収は約505万円といわれています。
平均月収は約36万円。
これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれでしょう。
サラリーマンの平均年収400万円と比べれば高い水準にありますが、資格取得のためのハードルの高さを考えると、物足りないと感じる人もいるかもしれません。
とくに、1000万円を超えるとも言われる医師との格差は非常に大きいと感じる人も多いのではないでしょうか。

この薬剤師の平均年収は雇用環境や職場によって大きく変わってきます。
ですから、同じ薬剤師の中でも収入にかなりの差が生じてしまうのです。
たとえばアルバイトの場合、時給換算では正社員と遜色ない程度の収入を得ることができますが、ボーナスが出ないことや、昇給・昇進があまり望めないこともあって、年収はかなり低くなります。
契約社員や派遣社員も同様です。
また製薬会社など、医薬品関連の企業では成果主義を導入するところも多く、同じ企業に勤めていても収入にかなりの違いが生じる場合があります。
新薬の開発などに関わっている場合には800万~1000万円程度にまで達するものの、販売業に携わる場合には400万円程度に留まるケースも少なくありません。

平均年収そのものはここ数年間安定した水準を維持していますが、このように雇用環境や職場環境によって格差が生じやすくなっており、その傾向は今後さらに拡大することが予想されています。

薬剤師とMR

薬剤師と関連した職業で近年注目を集めているのがMRです。
このMRとは製薬メーカーにおいて開発した薬剤の宣伝・営業を行う仕事のことです。
需要の高まりもあり、製薬メーカーでは続々と新薬が開発され、市場に売りに出されています。
競争が激化していることもあり、ただ優れた医薬品を開発するだけでなく、その魅力・メリットを広めて製品として販売促進を行う必要が出ているのです。
その営業活動を担うのがMRということになります。

そのため、現在MRに対する需要が非常に高まっており、注目の職種となっているのです。
医薬品の営業を行う以上、薬剤に対する深い知識を持っている必要があります。
営業先には病院などの医療機関もあり、専門的な知識で説明し、相手を納得させる必要があるからです。
そのため薬剤師としての知識が非常に役に立ちます。
優秀なMRは高給で雇われるケースが多いほか、新薬が開発された時には一度に大量の募集が行われるなど、つねに人手不足の状況が続いている状況です。
近年過剰気味が指摘され、雇用環境の悪化が問題となっている薬剤師にとっても魅力的な職場のひとつとなりつつあるのです。

ただ、現時点ではMRに占める薬剤師の割合は15%程度に留まっている状況です。
これは、医薬品に対する深い知識を持っている薬剤師が必ずしも営業職に適しているとは限らないという現実もありますし、薬剤師の中でMRという選択肢がまだ浸透し切れていないという面もあります。
一方では、MRでの経験を土台にして薬剤師を目指すというケースも増えています。
今後このMRと薬剤師の境界線はより曖昧なものとなっていくことが予想されています。

職場による収入の違い

薬剤師の特徴として挙げられるのが職場の多彩さ。
医師はもっぱら医療関連の施設で勤務するのに対し、薬剤師の場合は非常に幅広い活躍の場が用意されています。
そのため、職場や環境によって収入に大きな違いが生じるという特徴も見られています。
では、どの職場がもっとも収入に恵まれているのでしょうか。

もっと収入が多いといわれているのが製薬メーカーでの勤務。
新薬の開発に携わっている薬剤師なら30代で1000万円を越えるケースも少なくありません。
重要な役割を担っているだけに、これくらいの収入は当然なのかもしれません。
ただし、新薬の開発には高度な知識と実績が求められるため、非常に狭き門となっています。
また外資系を中心にドライな成果主義を導入しているところが多いため、成果を挙げられない場合には収入の減少やリストラの対象になりやすいといった面もあります。

収入の多さではドラッグストアも候補に挙げられます。
店長クラスになると700万~800万円程度にまで達することもあります。
ただし店の売上げに左右される面が大きく、またアルバイトでの雇用も多いため同じドラッグストアでの勤務でも格差が生じやすいという特徴があります。

安定した雇用環境と収入なら病院と薬局での勤務。
どちらも400万~650万円程度が平均年収となっています。
景気の影響を受けにくく、安定した収入を長期間得ることができる選択肢となります。
多くの薬剤師は病院か薬局の正社員として雇用されるのを目指すようです。
このように、職場による収入の違いは薬剤師の特徴として把握しておく必要があるのでしょう。

薬剤師のアルバイト

薬剤師の雇用形態として増えてきたのがアルバイトです。
厳しい経済状況もあってか、経費の削減のためにアルバイトとして薬剤師を雇うところが増えているのです。
アルバイトを募集しているのはほとんどがドラッグストア。
医薬品の販売のために薬剤師を常駐しなければならないところが圧倒的に多くなっています。

また薬局でもアルバイトを雇うケースがあります。
特徴としては女性が圧倒的に多いこと。
薬剤師の数は男4割、女6割程度の割合となっていますが、アルバイトに限ると7割以上が女性で占めています。
その背景には、男性は家計の柱となる必要があるため、アルバイトではなく正社員での雇用を目指していること、女性は家庭を持つと働く時間が制限されてしまうためアルバイトとしての雇用が適していることなどが挙げられます。
逆に言えば、育児や家事に忙しい女性にとってはアルバイトは非常に魅力的な選択肢となるのです。
夫の転勤などで引っ越した場合でもすぐに仕事先を見つけやすいというメリットもあります。

では薬剤師のアルバイトはどの程度の収入を得ているのでしょうか。
時給は平均2000円程度といわれています。
さすがに専門的な職種というだけあって、かなり高い水準にあります。
需要の高い地方ではさらに高い数字になることもあります。
この数字は正社員として働く薬剤師の時給換算と比べてもほとんど遜色ないものとなります。
もちろんボーナスや退職金などはありませんが、上に挙げたメリットを考えるとアルバイトという選択肢も薬剤師の雇用環境として魅力的といえるのではないでしょうか。

薬剤師と調剤

薬剤師の仕事の中でももっともよく知られ、そして重要なものが調剤です。
医師や歯科医師、獣医師の処方に基づいて医薬品を作成するのが調剤です。
これは原則として、薬剤師のみが行うことが可能な仕事となっています。
それだけに非常に重要な意味を持っているのです。
調剤を正しく行わなければ患者の症状を軽減することができないばかりか、逆に健康を害してしまうこともあります。
最悪の場合には命に関わる事態に陥ることもあります。

そんな調剤は厳重な管理下のもと、慎重に行われることが求められています。
まず材料となる薬剤の管理。
医薬品の材料には麻薬や覚せい剤、毒薬、劇薬などとして使用するものもあります。
この管理がしっかりできていないと、盗難や紛失などの問題を抱えやすくなります。
薬局では薬剤師ひとりひとりに管理責任を徹底させたうえで調剤を行っています。
それから処方箋の確認。
たとえば、薬剤師法では処方箋に疑問点が生じた場合、それを確認して解消した後でなければ調剤をしてはならないという決まりになっています。
それから記入漏れなどのミスを防ぐため、処方箋に医師の署名など内容を確認することができるものを求めるようになっています。
これは処方箋の偽造による薬剤の紛失を防ぐためです。

また、調剤とともに薬剤師が行わなければならない業務に服薬指導があります。
つまり、医薬品を利用する患者に対して正しい服薬方法を指導するものです。
この指導は義務となっており、仮に患者が不要だと思ったとしても必ず行わなければならないものとなっています。
このように、薬剤師の調剤は非常に慎重な取り扱いのもとで行われているのです。

薬局での薬剤師の仕事

薬剤師の職場の中でももっとも多く、また安定した雇用環境が期待できるのが薬局です。
全国でおよそ13万5000人もの薬剤師が薬局で勤務しています。
では、薬局ではどのような仕事が行われているのでしょうか。

代表的なものとしてまず挙げられるのはやはり調剤業務です。
医師が処方した処方箋に基づいて医薬品を調剤して交付する業務です。
正しい調剤を行うことはもちろん、患者の体調やアレルギーなどを踏まえたうえで行うことが求められます。
必要ならば医師と改めて処方箋の内容を問い直すことも行われます。

それから販売業務。
処方箋で作られる医薬品のほか、一般用の医薬品や医薬部外品などの販売も行います。
この場合、専門的な知識に基づいて正しい医薬品の使用をアドバイスするのも重要な役割です。
その患者が医者にかかっておらず、治療が必要だと判断した場合には受診を勧めることも薬剤師の重要な役割となっています。
このように、薬局での薬剤師の仕事は調剤がまず第一となっていますが、いかに患者や客に相応しい医薬品を提供することができるかも大きなポイントとなっています。
患者ひとりひとりの健康状態を把握し、親身になって相談に乗り、的確なアドバイスをする。
利用者にとって心強い存在となることが求められているのです。
この点こそが薬剤師の他の職場ともっとも異なる部分といえるでしょう。
世間一般において薬剤師に求められる役割、そしてイメージにもっとも忠実な職場ともいえそうです。

製薬業での薬剤師

もっとも高収入が期待できる薬剤師の就職先が製薬メーカーです。
ここでは新薬の開発や販売などを行うことになります。
医薬品業界の最前線で活躍する場となるでしょう。
多くの薬剤師が製薬メーカーへの就職を望んでいるといわれています。
その分、狭き門となっており、薬剤師の中でもとくに優れた知識を備えた人だけがなれる職業となっています。

製薬メーカーでは続々と新製品を市場に投入しています。
この新製品は長期間の研究と綿密な実験のうえ、安全性に問題がないと判断されたうえで販売に踏み切られることになります。
その課程において薬剤師が果たす役割は非常に大きいわけです。
医薬品に使用する薬剤の作用、効果、禁忌、副作用などの情報を的確に指摘し、そのうえで効果を最大限に、副作用を最小限にするための努力をすることになります。

高度で専門的な知識が求められるため、特定の学会が認定する認定薬剤師の資格が求められることが多くなっています。
また、薬学部の大学院を修了した学生が製薬メーカーに勤めるケースが多いのも特徴です。
新製品の開発に関わる仕事を行うと、高収入を期待することができます。
30代なら1000万円を超えることも珍しくないといわれています。
薬剤師全体の平均年収が500万円強といわれているのを考えると、非常に高い水準にあるといえるでしょう。
ただし、ドライな成果主義を導入しているメーカーが多く、常に結果を出さなければならないというプレッシャーもあります。
研究職が向いている人に適した職場といえるでしょうか。

卸売一般販売業での薬剤師

余り目立たない職場ですが、卸売一般販売業も薬剤師の就職先として有力な候補です。
この卸売一般販売業とは簡単に言えば医薬品を取り扱う問屋のことです。
製薬メーカーによって開発された新薬はまずこの問屋に卸され、そこから病院や薬局へと運ばれていくことになります。
当然、医薬品を所蔵、管理することになります。
そのため、卸売一般販売業においても薬剤師の配置が義務付けられているのです。

では、卸売一般販売業において薬剤師はどのような仕事を行うのでしょうか。
製薬メーカーのような新薬の開発は行いませんし、薬局のような調剤も行いません。
もっとも基本となる業務は医薬品の管理です。
薬の中には劇薬になるものや、向精神薬など厳重な管理が必要なものもあります。
扱いを間違えると大変な事態が起こりますし、紛失や盗難のリスクもあります。
それらを防ぐためにも管理は欠かせないのです。
また、医薬品が正しい状態で卸せるよう、衛生状態の確認も重要な役割となっています。

それから情報提供。
問屋には病院や薬局から薬に対する問い合わせが多数寄せられます。
それに対して的確な返答をするとも、薬剤師の重要な仕事なのです。
相手に正しく医薬品を使用してもらうためにも、そして多くの顧客を獲得するためにも欠かせない業務となります。

そのほか、営業職に対して医薬品の正しい知識を提供し、教育することも求められています。
医薬品が正しいルートで私たちのものに届くために活躍する職場といえるでしょう。

さまざまな薬剤師の仕事先

薬局、病院、製薬メーカー。
これら一般的な薬剤師の就職先のほか、数は少ないながらも幅広い選択肢があります。
他にはどのような職場で活躍しているのでしょうか。

まず学校薬剤師。
学校保健安全法では大学を除くすべての学校に薬剤師を置くことが義務付けられています。
学校生活の中で薬剤師と接する機会はほとんどありませんが、どの学校にも必ず存在しています。
ただしひとつの学校に専任していることはほとんどなく、地元の薬局で働いている薬剤師が兼務する形で業務を行っています。
学校薬剤師で行われるおもな仕事としては、給食施設の衛生管理が挙げられます。

それから保健所の職員。
薬局や病院の開設を許可するための業務、食品衛生監視の業務などを行います。
意外なところでは、毒劇物取り扱い責任者や麻薬管理者、科学捜査研究所の職員などもあります。
これらも学校薬剤師と同様に専任はほとんどおらず、他の業務と兼務するという形となります。
このタイプではほかにも医薬品の輸入販売なども最近増えているケースとして挙げられます。
専任の仕事としては薬学部の教員があります。
薬剤師を目指す学生たちを教育する仕事です。
とくに6年制が導入されたことで、より質の高い教員が求められており、5年以上の実務経験を持つ薬剤師が専任教員の6分の1以上を占めることが義務づけられるようになりました。
珍しいケースでは化粧品メーカーで新製品の開発・製造に関わる場合もあります。
このように、薬剤師の活躍の場はじつに幅広い範囲にわたっているのです。

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